Okinawa Citizen's Recycling Movement |
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沖縄リサイクル運動市民の会 |
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ごみ減量啓発・体験型環境教育プログラム「買い物ゲーム」導入事例紹介「買い物ゲーム」は各地の学校や自治体、NPOなどで実施されています。ここでは、実施の様子や導入された皆様の声をご紹介します。
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【採用・導入事例 1】 南風原町住民環境課「環境学習推進事業」(沖縄県)
今回は「環境学習推進事業」として2010年度より買い物ゲームを採用し、町内の全小学校の4年生全クラスで実施することにした南風原町・住民環境課の皆さんに、導入まで経緯やその後のお話を伺いました。(インタービュー:2013年4月) 【ご協力】知念功さん(前課長)、与那嶺秀勝さん(課長)、神里忍さん(生活環境班)
親の世代は難しい。しかし子ども時代に教えられたら… 南風原町総務部住民環境課の皆さん
~ 2. 買い物ゲーム導入のきっかけ ~ やるなら毎年、全学校、学年全体で。このプログラムは継続しないともったいない ―― 買い物ゲームについてですが、どのようにしてお知りなって、取り入れていくことになったのでしょうか? 知念さん 当時はとにかく環境学習を強化していこうと。自然を大切にして、環境保全をしていこう、という大きな流れの中で、やはり子どもたちへの何かしらの環境学習が必要だろうということで検討していました。 その時に沖縄リサイクル運動市民の会さんの買い物ゲームを沖縄県環境整備課のホームページ(「ごみ減量・リサイクル講座)で紹介されているのを初めて見 て、内容がやはり、これが一番いいなと思いました。自分たちの身近でできることで、体験できますよね。これはいいなと思って、取り入れてみようということ になりました。 ―― ご自分で見つけられて、取り入れてみたいと思ったんですか? 知念さん そうです。当時すでに県の委託事業としていくつかの小学校で実施されてましたよね。南風原町内でも1校当たったり、当たらなかったりして。 これでは駄目だし、単発で1クラスだけの実施ではもったいない。やるんだったら学年全体、全校、それを毎年、と積み上げていかないという風に思ったんですよ。継続性が絶対必要だろうなと。 ―― その後、県からのお知らせがあって、ある小学校での実施の際にいくつかの自治体の皆さんと見学にいらしました。実際に買い物ゲームを実施している様子をご覧になられていかがでしたか? 知念さん これはとにかく継続してやっていかないと、というのがありました。単発ではだめ、単年度ではだめ、継続していきたいというのがあって。 この事業を連続してやって今年3年目で、最初4年生だった子どもたちが、今、中学一年生になっていますよね。その中には、やっぱり覚えている子たちがい ますよね。たまたま北丘小学校に行った時、あそこからはちょうどクリーンセンター見えますよね、そこの6年生の子たちが「あんまりあっちにゴミがいくとお 金かかるよね」と話をしていた。それ聞くだけでも、よかったなと思いますよね。 ~ 3. 事業実現の課題 ~ 町の総合計画の中に、事業を盛り込んでいます ―― 事業を始めるにあたって、予算の面ですとか役所内での手続きなど、何かハードルや課題はありましたか? 知念さん 当時、財政課に出した資料の中では、やはり町の総合計画との整合性ということで。計画の中でも次世代を担う子どもたちの環境学習が非常に重要と私たちは明記しています。 自治体の一番の基になる柱である総合計画でそう明記していますので、そういう意味では財政当局側も、計画の実行のためのひとつの施策であるということで予算化していきました。 ―― 上位計画にあって、それに添っていますよ、という話の持って行き方ですね。ですが、「そうは言っても」というのがありますよね(笑)。 知念さん それで、充当する財源ということになるわけですが、うちにはリサイクル基金というのがありました。これは、有料ごみ袋の収益を積み立てていまして、いろいろなリサイクル事業など、そういう部分に使っています。、エコセンターの運営費なども全部この費用で賄っています。 そこで、環境学習もそういう形で財源を当てていきました。24年度からは一括交付金を活用できるようになりました。 他の市町村でも、単発ではなく、他の事業といくつか組み合わせてやっていけば可能性はあると思います。 ―― 他の市町村でも進める際のポイントはどの辺りなのでしょうか? 知念さん 南風原町の場合は、やはり総合計画の中でそいういう部分も入っていますから。現在の総合計画では買い物ゲーム自体が盛り込まれています。 このように計画の中に入れていけばやりやすいですよね、行政として動きやすい。こういう方向性を持って進めて行っていますと。とにかく、こうやって町の計画にきちんと入れ込むことができれば進めていきやすいですね。 与那嶺さん 町の方針ということで、議会の議決事項になっています。要するにもう議会にも内諾を得られている事業なんで、財政にも説明はしやすい。こういう柱でもって事業展開していくので、予算についてもその辺が強みではあります。 ―― ここまで持ってくるのが大変だったのでしょうが(笑)。 知念さん やらないと、「総合計画で『やる』と言っているのに」ということになる。今はもう目標設定して行なっていますから、それを達成するには当然予算化も必要です。 与那嶺さん 目標達成できたかどうか、事業展開と成果がどうなっているか、毎年報告がありますからね。 ~ 4. 現場での実践に向けて ~ 校長先生がすぐに手を上げて、すばらしいプログラムだから、と奨めてくれたんです ―― いよいよ学校現場で実施させてもらうという段階では、何か苦労などはありましたか? 知念さん 買い物ゲーム導入時、町内全校にやってもらおうという時に、校長会に出席させてもらって、「今年度から町の委託事業という形で、子どもたちの環境学習を強化するための買い物ゲームを、全学校の4年生全クラスで実施をお願いします」と紹介させてもらったんです。 すると、やっぱり買い物ゲームを知ってらっしゃる校長先生がいらして、すぐに手を挙げられて、「これはとてもすばらしいから、とにかく子どもたちが一番身近で、ごみ減量にも繋がるし、環境問題とか考えられるから、上等ですよ」と言ってくださって。 それを聞いて、初めて知った校長先生方も、「じゃあやりましょう」と、すぐにご理解を頂いた。だからとても入りやすかった。各校長先生からまたそれぞれの先生方に話してもらって。 それからはもう、すぐでした。後は市民の会の皆さんにお任せして(笑)、間に入って頂いてコーディネートしてもらっていますから。行政側から学校側に話しておくと、けっこういいですよね。 ~ 5. 行政の役割と課題 ~ 私たち行政はコーディネート役。予算を確保して、繋ぐこと ―― では、わりとスムーズにいったという感じですか。 知念さん 私たちはもう、市民の会さんのお陰様で、という感じです(笑)。きちんと予算が確保できて、受けてくれる学校がOKさえすれば全然問題ない。だからこれは本当にスムーズにいきました。 要するに、私たち行政はコーディネータ役ですから。全部自分たちでやろうとしたら絶対にできないし。いろんな情報を集めて、コーディネートして、どんど ん地域に降りていってやってくれと職員に話しています。最初は全部自分たちでやるのかな、全て知っていないといけないかなと、すごく構えていたんですが、 違うんだ、と。 私たちは講師になる必要はない、とにかく繋ぐだけでいいから、予算もこっちでちゃんと確保するから、繋ぐだけでいいんだと。そういうことが少しずつ見えてきました。 ―― 買い物ゲームを導入してみて、改善してほしい点などはありますか? 知念さん いえ、私はそんなにないですから(笑)。運営する側としてはとてもやりやすくてですね、一旦「お願いします」と言ったら、後は学校との調整なども市民の会さんにやっていただけるので。 その部分が一番お願いしてよかった点です。学校との日程調整が一番時間もかかりますし、そこまでやっていただけるので私たちとしては導入しやすかったです。 ―― お忙しい中、貴重なお話を有難うございました。
インタービュー 2013年4月 南風原町ホームページ
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