Okinawa Citizen's Recycling Movement

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沖縄リサイクル運動市民の会


 
 くいまーるプロジェクト 2004年-3 


●◆食品循環養豚全国会議を開催

 2004年12月14日に実施しました食品循環養豚会議には県内外から約150名の参加をいただきました。この場におきまして、実施の報告とさせていただきます。

開催主旨

 近年、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会構造は、食品産業においても深刻な状況を招き、食品リサイクル法の施行などの対策が取り組まれています。食品リサイクル法では食品廃棄物の発生抑制と再生利用および原料を促進し、有用利用することを目的としており、具体的に肥料・飼料などへの再生利用が可能なものを「食品循環資源」と定義しています。
 こうした食品循環資源の受け皿づくりが現在全国各地で進められています。食品循環資源の資料化は有用利用のみならず、養豚業の発展に寄与するものと考えます。また、消費者へ情報提供を行うことは、市民参加による社会問題の解決への糸口となるでしょう。
 そこで、今回の食品循環養豚全国会議では、食品循環資源を活用した養豚プロジェクトを展開している全国各地の事例を紹介していきます。この会議の新たなネットワークを築き、食品循環資源を活かした養豚の未来を拓く集いにしたいと考えております。

◆12月14日
第1部 講演会 13:30~17:30





開会の挨拶 全国会議実行委員長 石黒英治
食品循環養豚の技術向上と理念の普及をめざし、新しい養豚の形をつくるきっかけになれば幸いです。

基調講演「我が国の未利用有機物資源の飼料・畜産的な利用」
阿部 亮 氏 日本大学生物資源科学部教授
  われわれは、輸入穀物に依存した日本の畜産に懸念を抱くべきだ。そこで食品残渣飼料を使用する効果として畜産生産の低コスト化、環境負荷低減、飼料自給率向上の3つをあげたい。食品残渣飼料の形態としては、リキッドフィーディング方式と乾燥方式が主としてあり、ほどんどが市販の配合飼料に一定の割合で代替給与している。(そして飼料の栄養価についての特性もご説明いただきました。)

 食品残渣をより活用するためには、食品残渣に見合った配合飼料の製造といった配合飼料メーカーの協力が不可欠で、今後は行政施策もそのような動向になっていくだろう。今後の展開として、どこにどのような未利用資源があるか情報収集をすること、畜産試験場などの協力を得て飼料の特性を見極めること、そして複合体を形成し、目標・理念をもって地域で循環できるシステムを形成することが必要である。
 今は試行錯誤の時期だが、急成長する「夜明け前」として今後の活躍を期待します。と講演されました。


 食品循環養豚/全国事例の紹介「先進事例に見るエコトンプロジェクト」


1. 地域ブランド食品循環型はまぽーく

鈴木孝利 氏 (横浜農協食品循環型はまぽーく出荷グループ会長) 


2. 大阪のリサイクル養豚

川上幸男 氏 (有限会社関紀産業 表取締役)
http://www.rinku.zaq.ne.jp/kanki/


3. 放牧による黒豚の肥育

中村えいこ 氏 (有限会社えこふぁーむ専務取締役)
http://www.eco-pig.net


4. くいまーるプロジェクトの発進

古我知浩 氏 (特定非営利活動法人エコ・ビジョン沖縄理事長)
http://www.ryucom.ne.jp/users/kuru2/


5. NPOがつなぐ養豚プロジェクト 新潟長岡市

特定非営利活動法人地域循環ネットワーク

※震災の影響を受け、お招きすることが出来ませんでしたが、小中学校などの給食残渣を回収、飼料化している様子をビデオにて紹介させていただきました。http://park16.wakwak.com/~jnet/



今回の会議では、会場に義捐金箱(豚の貯金箱)を設置し、皆様に義捐金のご協力を呼び掛けました。
いただいた義捐金は¥49,123になりました。12月17日に地域循環ネットワークに振り込ませていただきました。皆様のご協力ありがとうございました。


コメント及び質疑応答

コメンテーター 矢後啓司氏(財団法人畜産生物科学安全研究所)

  矢後氏からは、家畜衛生の面からみた食品残さ飼料を使用する際の留意点を経験よりお話していただき、各事例団体についてはそれぞれの特性をあげ、今後の課題解決へのアドバイスをいただきました。

 質疑応答では、受身ではなく積極的に食品循環資源を利用し組織体制を確立させた新しい食品循環養豚の必要性や、食品残さ飼料を作る際の一定のガイドラインの紹介、食品残渣の安全性について阿部先生からコメントをいただき、そして、各事例団体に対しては肉質に与える影響から事業化へ向けたコスト面の質問まで幅広く質問をいただき、参加者が食品循環養豚に非常に関心をもっていることがうかがえました。


第2部 試食会 18:00~


 試食会では、くいまーるプロジェクトで肥育した豚2頭分をメルパルクOKINAWAの喜友名(きゆうな)料理長が考案した数十種類ものメニューで食味することができました。また、今回事例報告をした4団体の豚肉でしゃぶしゃぶを食味してもらいました。
さて、あなたのお好みの豚肉はありましたか?
 一番遠方よりおこし頂いた、
岩手県畜産研究所の阿閉様より
乾杯の挨拶をいただきました

 今回のメニューを考案、料理していただいたメルパルクOKINAWAの喜友名料理長。  数十種類もの料理がならび、アンケートには「豚肉だけでこれだけの料理が作れて驚きです」という回答もありました。
 脂身の多い部位もあえて脂をいかした料理や、沖縄の伝統料理も披露していただきました。
 今回の事例報告をしていただいた4団体のしゃぶしゃぶ。
 参加者は、食味する前に色、におい、食味後の硬さや脂ののり、味について真剣に利き豚(利き酒ならぬ)をしていました。
 また、4団体が使用している飼料も持参していただきました。
 こちらも色、においなどそれぞれの特徴が表れており、参加者は興味深く手にとっていました。
 多くの皆様にご参加いただき、食品循環養豚全国ネットワークの発足や、来年も全国会議を開催して欲しい、という要望もあり、大変充実した会議となりました。
   
実行委員会の反省会では、鹿児島、横浜から「ぜひ来年はやりたい!」という声があがり、沖縄から発進したこの試みが今後も発展することを願っています。



12月15日
現地視察

 視察 12月15日 観光バスを1台貸切り、朝早くからおこし頂いた参加者と一緒に2ヶ所の視察を行いました。

くいまーる養豚場
くいまーる養豚場は肥育を担当している合資会社オキスイの鈴木さんを中心に、独自で開発した飼料化装置の説明、オガコ養豚の様子を視察してもらいました。実際現場をみての意見交換もでき、多くのアドバイスもいただきました。

沖縄県立北部農林高等学校
  沖縄の在来豚ともいわれる島豚(アグー)を復活させようという試みが続けられており、その復元に成功した北部農林高校が視察を受け入れてくださいました。また、在来豚の繁殖性の改善と産肉能力の向上を目的とした調査研究をすすめており、北部農林高校オリジナルの豚「チャーグー」も見せていただきました。沖縄の地場産業の若い担い手がここで多くのことを学んでおり、今後の活躍に期待を感じました。
主催  食品循環養豚全国会議実行委員会
横浜農協 食品循環型はまぽーく出荷グループ・有限会社 関紀産業・NPO法人 地域循環ネットワーク・有限会社 えこふぁーむ・NPO法人 生ごみリサイクル全国ネットワーク・ 沖縄県地球温暖化防止活動センター・くいまーるコンソーシアム


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*当会議は沖縄総合事務局からの委託事業で実施しています。




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